GM 破綻

GM(ゼネラルモーターズ)が破綻した本当の理由とは?

キャデラック

 

アメリカの自動車会社であるビッグスリー(GM・フォード・クライスラー)の破綻は、日本でも大きな話題を呼びました。

 

GM(ゼネラル・モーターズ)は2009年6月、クライスラーは2009年4月に破産法を申請し、経営破綻しました。ちなみに、GMの負債総額1728億ドル(約17兆円)は過去最大規模になります。

 

フォードにいたっては倒産こそ免れましたが、2008年「ジャガー」と「ランドローバー」をインドのタタ・モーターズに23億ドル(約2,300億円 )で売却。さらに所有していたマツダの株式33.4%のうち、約20%をマツダや広島銀行などに売却するという散々な結果になっています。

 

では、なぜビッグスリーは経営危機に陥ってしまったのでしょうか?当ページでは、その理由について書いていきたいと思います。

 

労働賃金の高さ

給料の画像

 

GMが破綻した理由にはさまざまありますが、その1つとして「高い労働コスト」が考えられます。

 

GMの1時間あたりの賃金73.2ドル(約7,320円)は業界トップクラス。アメリカの一般的な製造業の平均賃金は31.59ドル(約3,159円)なので、じつに2倍以上の金額です。

 

さらに、GMは「レガシーコスト」と呼ばれる巨額の年金制度や医療補助の債務も抱え、債務超過に陥っていました。医療補助とは、社員の医療保険にかかる費用を会社が負担したり、退職後も本人だけでなく家族も含めて医療保険が利用できたりといった制度のことです。

 

ここまで制度を充実させなければならなかった背景には、アメリカの自動車会社が所属する「全米自動車労働組合(UAW)」の存在があります。労組は過去に何度もストライキをおこなっており、GMはこの労組の要求に対して、ある程度応じざるを得ない状況だったのです。

 

車の販売業績の悪化と社員の福利厚生のダブルパンチを喰らい、手持ちの資金(内部留保金を含む)を急速に失っていったと考えられます。そして、経営悪化によって企業ランクも大幅に下がり、資金繰りが不可能な状態まで陥ってしまったのです。

 

「アメリカ同時多発テロ」による影響

アメリカ同時多発テロ画像

 

1997年、GMのキャッシュフローは164億5000万ドル(約1.6兆円)で、その額はなんとトヨタの3倍にもあたります。

 

しかし、2001年「アメリカ同時多発テロ」によって、車の販売台数が急激に落ち込み、在庫がどんどんと増えていきます。解決策として、販売店のインセンティブ(報奨金)の上乗せや車両の値引きをおこない販売を促進しましたが、思うように売上があがらず収益は一気に悪化します。

 

ちなみに、この時期GMは3兆円というとてつもない金額の赤字を出しています。それが原因で資本提携していた自動車メーカーの株式を売却、必死で財務状況の改善を図りました。

 

2005年10月には「富士重工株」をトヨタへ売却、2006年には「いすず自動車株」を売却し資本提携を解消しました。さらには、スズキとの資本提携を完全に解消するまでに落ち込みました。

 

「リーマン・ショック」による影響

リーマンショック画像

 

「アメリカ同時多発テロ」による影響で売上は大きく落ち込むものの、2007年時点のGMの自動車販売台数は937万台。第2位のトヨタの追随を許すことなく、世界一の座を守っていました。

 

しかし2008年、追い打ちをかけるように「リーマン・ショック」が起こります。リーマン・ショックとは、アメリカの大手投資銀行のリーマン・ブラザーズの破綻と、それが原因で発生した「世界的な金融危機」のことです。

 

リーマン・ショックの影響とガソリン価格の高騰によって、北米での売上が大きく落ち込み、約77年間も守り続けた販売台数世界1位の座を2008年度にトヨタ自動車に明け渡す結果となったのです。

 

そして、100%子会社で自動車ローンを扱う金融会社「GMAC」は、2004年当時GMの利益の78%を占めていましたが、資金運用に失敗。2兆円もの大損失を出すことになります。

 

プライベートジェットで会議に出席して大炎上!?

2008年、経営難に陥っていたビッグスリー(GM・フォード・クライスラー)に対して、政府による「資金援助」の可否を巡る公聴会が開催されました。

 

そこで、リチャード・ワゴナー(GM会長)、アラン・ムラリー(フォード社長)、ロバート・ナルデリ(クライスラー会長)が証言し、国からの緊急融資が受けられない場合、「倒産する可能性が非常に高い」と助けを求めました。

 

しかし、彼等がこの会議にプライベートジェットで出席したことに対して、支援を要請する立場にも関わらず「ふさわしくない振る舞いだ!」「ふざけた行動だ!」と大きく非難されることになります。

 

結局、GMは2009年6月、クライスラーは2009年4月に破産法を申請し、経営破綻してしまいました。

 

まとめ

いかがでしたか?当ベージでは、GMが破綻した理由について書きました。

 

アメリカの大手自動車メーカーが立て続けに破綻した理由は、「世界的な金融危機」の影響で車が売れなくなり、そこに「労働賃金」などの莫大なコストがかさんだことが考えられます。

 

また、当時からアメリカの自動車のデザインは魅力がなく、燃費や環境にも配慮されていない「時代遅れの車」といった批判も各方面から出ていました。そのため、大幅な顧客離れを引き起こしていたことも原因の1つだといえるでしょう。

 

GMやクライスラーの車種ラインナップに問題があった点については、こちらのページでくわしく解説しています。興味のある方は、当記事の続編としてあわせてお読みください。

 

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